路線バス小史

213.都営と京王の中63系統

第1版, 作成：2018/09/22, 更新：2018/09/22

　現在、都営バスの橋63系統は新橋駅前～小滝橋車庫間を走っていますが、かつては京王との乗入れで、新橋駅前～大久保駅前～中野駅前～下田橋間を走っていました。1979年11月23日に橋63は分割され、東側は橋63を名乗ったままで新橋駅前～大久保駅前（当時）を都営バス単独運行に変わりました。

　西側は中63に改番され、下田橋～中野駅前～新大久保駅前～国立病院医療センター（現・戸山町）間を都と京王が共同運行することになりました。しかし、こちらは乗客が少なく、1988年10月16日に廃止されています。

　ここでは、下田橋と当時の国立病院医療センターの折返場を見ていきます。

　過去の下田橋折返場を図213-1-1～213-1-4に示します。各図の中央の少し西側が下田橋の折返場（跡）です。細長い上に曲がった形状となっており、ターンテーブルを備えていました。末期はともかく、新橋～下田橋を直通していた頃、よくこの狭さでさばけたと感嘆します。

図213-1-1　下田橋付近, 橋63系統折返場も（1975年1月）
出典：CKT7415-C25-29（1975年1月）
国土地理院ホームページ（筆者が図を加工）
図213-1-2　下田橋付近, 橋63系統折返場も（1979年10月）
出典：CKT794-C9A-21（1979年10月）
国土地理院ホームページ（筆者が図を加工）
図213-1-3　下田橋付近, 中63系統折返場も（1984年10月）
出典：CKT843-C8B-6（1984年10月）
国土地理院ホームページ（筆者が図を加工）
図213-1-4　下田橋付近, 中63系統廃止後（1989年10月）
出典：CKT893-C3-21（1989年10月）
国土地理院ホームページ（筆者が図を加工）


　中63の国立病院医療センター停留所は、病院の構内にありました。一度利用したことがあったのですが、場所を忘れてしまいました。そこで住宅地図で調べたところ、図213-2-1～図213-2-3の丸で囲ったところとのことです。写真より、駐車場の一部を折返場に転用したことがわかります。乗り場のところに屋根がついていた気がしますが、うろ覚えで、かなりあやしいです（写真ではそのように見えますが…）。現在は、病院自体が全面的に建て替えられた上に、道路のクランクも解消されたりしたため、当時の面影は全くありません。執筆日現在、橋63に国立国際医療研究センター前の折返便があり、旧道（クランク）を使った折返しを行っていますが、これも中63とは関係ありません。

　ちなみに、当時は今の戸山町停留所と国立病院医療センター停留所がそれぞれ逆を名乗っていました。

図213-2-1　国立病院医療センター付近, 中63運行開始直前（1979年11月14日）
出典：CKT794-C10B-10（1979年11月14日）
国土地理院ホームページ（筆者が図を加工）
図213-2-2　国立病院医療センター付近, 中63系統折返場も（1984年10月31日）
出典：CKT843-C10-27（1984年10月31日）
国土地理院ホームページ（筆者が図を加工）
図213-2-3　国立病院医療センター付近, 中63廃止後（1992年10月10日）
出典：CKT921-C7B-22（1992年10月10日）
国土地理院ホームページ（筆者が図を加工）


履歴
版日付内容
12018/09/22公開。
Naoki mimomi Aihara